高校物理 理解の手助け

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高校物理を理解するために 単位について2 単位の換算

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単位の計算や換算

単位の計算や換算(練習問題)

次元解析(練習問題)

 

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単位の換算説明の前に

SI接頭辞とは、km(キロメートル)やcm(センチメートル)、mm(ミリメートル)などのm(メートル)の前についている、k(キロ)やc(センチ)、m(ミリ)などの文字のことです。
この接頭辞とは、何倍しているかを表しています。
以下にいくつかの接頭辞と、何倍を表しているのかを示します。


G(ギガ)=1000000000= \displaystyle 10^9

M(メガ)=1000000= \displaystyle 10^6

k(キロ)=1000= \displaystyle 10^3

c(センチ)= \displaystyle \frac{1} {100}= \displaystyle 10^{-2}

m(ミリ)= \displaystyle \frac{1}{1000}= \displaystyle 10^{-3}

μ(マイクロ)= \displaystyle \frac{1}{1000000}= \displaystyle 10^{-6}

n(ナノ)= \displaystyle \frac{1}{1000000000}= \displaystyle 10^{-9}

 

SI接頭辞は他にもいろいろとあるので、興味があれば調べてみて下さい。

単位の換算とSI接頭辞


さて、みなさんは単位の換算をするときにはどうしているでしょうか?
例えばkm(キロメートル)からm(メートル)に換算する際には、1000倍すればよいということは知っていると思います。
では、なぜ千倍すればよいのか?
これには接頭辞のk(キロ)が関係してきます。
下の画像を見てください。

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K(キロ)=1000なので、km(キロメートル)中の接頭辞であるk(キロ)を数字になおすと、単位がm(メートル)となります。

では、m(メートル)からkm(キロメートル)に換算するにはどうすればよいでしょうか。下の画像を見てください。

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まず1を掛けても数値は変わらないので1を掛けましょう。次に、K(キロ)=1000なので1000という数字が欲しいです。なので、1を \displaystyle \frac{1000}{1000}と考えましょう 。 \displaystyle \frac{1000}{1000}は約分すると1になるので問題ありません。ここで1000という数字がでてきたので、これをk(キロ)になおします。K(キロ)=1000なので問題ないですね。ここでm(メートル)からkm(キロメートル)への換算ができました。残ったのは、 \displaystyle \frac{1}{1000}= \displaystyle 10^{-3}です。よってm(メートル )からkm(キロメートル)へと換算するには、1000で割ればよい( \displaystyle 10^{-3}を掛ければ良い)とわかりました。

練習問題を出してみます。

 

[問題]
100mを10sで進んだ物体がある。この物体の平均の速さは何km/hか?

速さを求めましょう。100mを10sで進んでいるので、


100m÷10s= \displaystyle \frac{100m}{10s}=10m/s


です。しかし問われている速さはkm/h(キロメートル毎時:1時間に何km進むか)です。このままだと単位がm/sなので単位の換算をします。まずは、m(メートル)をkm(キロメートル)へ換算します。

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上記説明と同様に、1を掛けて分数になおし、でてきた1000をk(キロ)になおします。
次に、s(秒)をh(時)になおします。

1h(時間)は3600s(秒)なので下記式をつくります。

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上記のは左の等式の両辺を1hで割った結果、右の等式になっています。

この式を使って単位を換算していきます。

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ここでも、1を掛けても数値は変化しないことから、作ったs(秒)とh(時間)の関係式を利用して換算しています。
もちろん先にm(メートル)をkm(キロメートル)に、s(秒)をh(時間)に換算してから速さ(時速)を求めてもいいです。

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上で作った、s(秒)とh(時間)の関係式をそのまま使うなら、単位を換算する際には割り算をしましょう。今欲しい単位はh(時間)ですが、掛けてしまうと単位が\displaystyle \frac{s^2}{h}となってしまいます。
1h=3600sという関係から、 \displaystyle 1=\frac{1h}{3600s}という式を作れば、掛けることで単位はh(時間)になります。

問題を解く際には、どの単位での解答を求められているのかに注意しましょう。

面積や体積について


次に、面積や体積に関する単位についてです。 \displaystyle m^2(平方メートル)から \displaystyle cm^2(平方センチメートル)や \displaystyle m^3(立方メートル)から \displaystyle cm^3(立方センチメートル)に換算する場合です。

下の図のように習った人もいると思います。

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m(メートル)とcm(センチメートル)で体積を比較すると、 \displaystyle 10^6違うので、この数値を掛けたり割ったりして換算するのだと。
間違いではないと思うのですが、わかりにくいとは思います。
前回単位も掛けたり割ったりできるという話をしましたが、なぜ \displaystyle cm^2という単位はm(メートル)の2乗という形になっているのでしょうか?cm×cmをすれば単位は  \displaystyle {c^2}{m^2}になるとは思いませんか?
実は \displaystyle cm^2 \displaystyle {c^2}の2乗が省略してあるだけなのです。なので、換算する際にはこの部分に気をつけて変換すればよいのです。練習問題を解いてみましょう。

 

[問題]
1問 2 \displaystyle {m^2}は何 \displaystyle {cm^2}か?
2問 3 \displaystyle {m^3}は何 \displaystyle {mm^3}か?

 

1問目についてです。
 \displaystyle {m^2}(平方メートル)を \displaystyle {cm^2}(平方センチメートル)に換算する問題ですね。
これも接頭辞に注目すればよいです。まず、 \displaystyle {cm^2}についてみていきましょう。
 \displaystyle {cm^2}とは、 \displaystyle {c^2}{m^2}のc(センチ)の2乗が省略されている形でしたね。
また、C(センチ)= \displaystyle \frac{1}{100}= \displaystyle 10^{-2}のことでした。なので、

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よって、先ほどみていた問題同様、 \displaystyle 10^{-4}を作ることを目指します。
解答は以下のようになります。

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つづいて2問目についてです。
こちらは、 \displaystyle {m^3} \displaystyle {mm^3}に変換する問題です。m(ミリ)= \displaystyle \frac{1}{1000}= \displaystyle 10^{-3}を念頭において考えて行きましょう。
解答は以下のようになります。

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説明不足のところもあると思いますので、なにかあればコメントください。また、自分でこう説明した方がよいと思った点があれば修正します。

 

次回は単位についての練習問題をいくつかやってみたいと思います。よろしくお願いします。