高校物理 理解の手助け

高校物理についての内容です。なるべく丁寧に、理解できるように書いていこうと思います。

単位の計算 換算 問題を通しての理解と解き方 計算編

サイトを設立しました。

こちらでも解説しているのでよろしくお願いします。

単位の計算や換算

単位の計算や換算(練習問題)

次元解析(練習問題)

 

高校物理/炉けーのブログ

 

Twitterアカウント→@roke_blog

単位の計算 練習問題 次元解析


今回は、前回までの記事で説明したきた単位の計算と換算のうち、計算についての問題を通した理解を目指していきます。
単位の計算についての記事で書いた内容を、実際にどのように使うのか、問題を解く中で説明していきたいと思います。
単位について説明した記事を貼っておくので、参考にしていただきたいです。

高校物理を理解するために 単位について1 単位の計算 - 高校物理 理解の手助け

高校物理を理解するために 単位について2 単位の換算 - 高校物理 理解の手助け




[練習問題1]


地表において、ある物体と地球の間には万有引力がはたらく。
ある物体の質量をm[kg]、地球の質量をM[kg]、地球の半径をR[m]とすると、ある物体の運動方程式万有引力定数Gを用いて
ma=G\frac{Mm}{{R}^2}
と表すことができる。ここでaは重力加速度と呼ばれ、単位は[m/s^{2}]である。
上記運動方程式が成り立つとき、万有引力定数の単位はどうなるか?


解説


単位の計算に関する問題です。
既知の単位から未知の単位を推測する方法を次元解析といいます。
この問題では、単純に問題文中の運動方程式から単位にだけ注目して、計算していけばいいでしょう。
未知の単位である万有引力定数Gの単位をxとおきます。
下記に解答を載せます。

f:id:j-shindo:20190309200547j:plain



よって、万有引力定数Gの単位は、
m^{3}/kg・s^{2}
となります。


次の問題は、物理とはあまり関係ないかもしれませんが、条件から式を作る作業と、単位の計算の練習として出しておきます。

 

[練習問題2]


下図のように、中心に穴が空いている筒の中央からボルトがでている。
このボルトにナットをねじ込んでいくと、筒の表面でナットが止まった。
ナットをあと15°回転させたいとき、筒の表面を何mm削ればよいか?
ボルトとナットのピッチは3mmとする。
※ピッチとは、ボルトとナットが噛み合った状態で1回転させた際に進む距離である。上記の場合、ナットを1回転させると、3mm進む。

f:id:j-shindo:20190309200625j:plain


解説


ボルトにナットをはめて回転させると、ナットは下に進んでいきますが、筒が邪魔でこれ以上下に進めなくなります。
しかし、筒側のナットとあたる面を削ってやれば、筒が短くなった分だけ、ナットは下にいくことができます。
今、ナットをあと15°回転させたいということなので、ナットを15°回転させた際に進むであろう距離だけ筒の表面を削ってやればよいわけです。
問題文中のナットのピッチが3mmということなので、このナットは1周させると3mm下に進みます。
これを式で表すと、1周あたり3mm進むので、
 \displaystyle \frac{3mm}{1周}
となります。
問題文中では、角度の単位がでてくるので、上記の式も角度で表したいです。
ここで、1周は360°であるという式を使いましょう。1周=360°を用いると、上記式は
 \displaystyle \frac{3mm}{1周}= \displaystyle \frac{3mm}{360°}= \displaystyle \frac{3}{360} \displaystyle \frac{mm}{°}
となります。
上記の式は、1°で何mm進むかを表しています。
単位をみますと、分子がmm(ミリメートル)で分母が°(度)なので、単位が°(度)のものを掛けてやれば、単位がmm(ミリメートル)となりその掛けた数字分回転した際にナットが進む距離がでます。
今回は15°回転させたいので、15°を掛けてやります。
解答は以下のようになります。

f:id:j-shindo:20190309200652j:plain

 

よって、0.125mmだけ筒の表面を削ってやれば、ナットはあと15°回転させることができます。


次回は、単位の換算についての練習問題を出したいと思います。
よくわからないところや、指摘事項があればコメントを下さい。

お疲れ様でした。