高校物理を理解するために 単位について1 単位の計算
サイトを設立しました。
こちらでも解説しているのでよろしくお願いします。
Twitterアカウント→@roke_blog
いろいろな単位
単位には
円 (えん)
m (メートル)
kg(キログラム)
m/s(メートル毎秒)
など、様々なものがあります。
単位の計算
計算をする上で例えば
2×3=6
と数値同士の掛け算・割り算は日常的に行っていると思いますが、実は単位についても同様に計算できます。
例として、道のり・時間・速さの関係をみてみましょう。
今はどのような教わり方をしているかわかりませんが、私自身は小学生の頃、道のり・時間・速さの関係について下図のように教わりました。
円内の『み』は道のりを、『じ』は時間を、『は』は速さをそれぞれ表しています。
道のりを求めたい場合は、円内下の[時間]と[速さ]を掛けます。時間を求めたい場合は円内の[道のり]を[速さ]で割り、速さを求めたい場合は[道のり]を[時間]で割ります 。
これを図で表すと下のようになります。
×と÷の記号を追加しました。
仮に、下のような問題があったとしましょう。
[問題]
150mを15秒で走った場合、平均の速さは何m/sか?
上記問題で求めなければならないのは速さ[m/s]です。
数値の計算としては、[道のり]÷[時間]なので、
150÷15=10
ですが、単位もみてみましょう。
150mを15s(秒)で走ったので、単位も含めた計算式は
150m÷15s となります。
数値だけみると、150÷15ですが、このとき単位も同様にm(メートル)÷s(秒)されています。
上記計算式を、分数で表すと、
となります。
この式から、150÷15だけでなくm(メートル)やs(秒)といった単位自体も割り算されて、m/s(メートル毎秒)という速さの単位になったことがわかります。
次の問題にいってみましょう。
[問題]
速さ10m/s(メートル毎秒)の物体が5s(秒)間に進んだ距離は何mか?
上記問題も同様に計算してみましょう。距離(道のり)を求める式は[速さ]×[時間]でした。
s(秒)同士が約分されて、距離の単位m(メートル)となりました。
ここで注目してほしいのは、単位をみればどういう計算を行えばよいかわかると言う点です。
例えば、[速さ]m/sが問題文で与えられていた場合、[距離]mを求めたければ単位がmになるように[速さ]m/sに[時間]sを掛けてやればよいのです。[時間]sを求めたければ、単 位がsになるように、[距離]mを[速さ]m/sで割ってやれば時間がでます。単位をみれば、どのよう計算をすればよいか迷うことが少なくなると思います。
また、速さm/sは単位時間あたり何m進むかを表しています。要するに、1s(秒)で何m(メートル)進むかです。単位の分母sの前には数字の1が省略されていると考えてください。
問題文中にでてきた、10m/sとは1s(秒)間に10m(メートル)進みますよということです。なので、2秒間でなら20m進みますし、3秒間でなら30m進みます。
私自身、昔はよくわからなかったのですが、スーパーへ行くと、お肉が売っています。値札をみてみると、100g(グラム)あたりの値段が書いてあると思います。
では、問題です。
[問題]
100gあたり98円の豚肉を、150g買うといくら支払わなければならないか?
説明していきます。
まず、問題文中に100gあたり98円とあるので、これを式で表すと、
となります。これは、g(グラム)の前に1が省略されていると考えて、1gあたり、ですよという意味です。
単位は円/gとなりますね。
今求めなければならないのは、150g買った際に何円になるかということです。単位を見てみると円/gですので、gを掛けると円になります。
よって、
となります。
もしも、100gあたり98円という条件を、 で表した場合は、単位を円にするために150円を100/98(g/円)で割ればいいです。
組立単位
次に、単位は組み合わせで変わるものがあります。
例えば、
といったものがあります。
これらは、問題を解いていくなかで覚えていけばいいと思います。
注.Pa(パスカル)の単位について
Pa(パスカル)はN(ニュートン)を面積()で割ったものです。この単位の中身を次の式で表してみます。
式中の赤文字はN(ニュートン)をあらわしています。N(ニュートン)も単位の組み合わせでできたものだったので、それをばらしてまとめました。
計算時の注意事項
また、足し算引き算を行う際には、単位を揃えましょう。
例えば、りんご1個と距離1mを合わせるといくつになるでしょう?と問われても、計算できません。
m(メートル)ならばm(メートル)同士、kg(キログラム)ならばkg(キログラム)同士で計算しましょう。
kg(キログラム)とg(グラム)ならば、どちらかに単位を合わせて計算します。
次回は、kg(キログラム)のk(キロ)や、mm(ミリメートル)のm(ミリ)といったSI接頭辞についての記事を書こうと思います。