1-1.単位の計算や換算(変換)
小学生の時に、時間・道のり・速さの公式や\(\mathrm{km}\)から\(\mathrm{m}\)への単位の変換を習ったと思います。
しかし、時間・道のり・速さのうちのどれを掛け算したり割り算するのか、\(\mathrm{km}\)を\(\mathrm{m}\)に変換するには\(\mathrm{1000}\)を掛けるのか\(\mathrm{1000}\)で割るのかということに迷ったことはないですか?
この記事では、こうした単位の計算や変換について理解し、割るのか掛けるのかを迷わずにできる、\(\mathrm{km}\)から\(\mathrm{m}\)や\(\mathrm{m^2}\)から\(\mathrm{km^2}\)などへの変換を間違えずにできることを目標として学んでもらうためのものです。
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こちらでも解説しているのでよろしくお願いします。
→単位の計算・換算練習問題2(次元解析と解答確認)【単位】【次元解析】
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目次
1.単位同士の計算
例として、時間・距離・速さの関係をみていきます。
自動車が\(\mathrm{90m}\)の距離を\(\mathrm{10}\)秒で進んだ時の速さは?と聞かれたとき\(\mathrm{90}\)÷\(\mathrm{10}\)=\(\mathrm{9}\)という計算をして、\(\mathrm{9m/s}\)という答えがでてきます。(\(\mathrm{s}\)は秒の英語"\(\mathrm{second}\)"の頭文字)
このとき単位はどうなっているでしょうか?
単位付きで考えてみると、
\(\mathrm{90m}\)÷\(\mathrm{10s}\)=\(\mathrm{9m/s}\)
となっています。
ここで単位にのみ注目してみると、
\(\mathrm{m}\)(距離\(\mathrm{90m}\)の単位)÷\(\mathrm{s}\)(時間\(\mathrm{10}\)秒の単位)=\(\mathrm{m/s}\)(速さ\(\mathrm{9m/s}\)の単位)
と、距離の単位\(\mathrm{m}\)を時間の単位\(\mathrm{s}\)で割ったものが求めた速さの単位\(\mathrm{m/s}\)となっています。
このことから、計算時には数値だけではなく単位も同様に計算されていることがわかると思います。
上記例の距離\(\mathrm{90m}\)、時間\(\mathrm{10s}\)、速さ\(\mathrm{9m/s}\)の値を用いて時間と距離の求め方を単位に注目してみていきます。
数値と同様に単位も計算できることがわかったので、距離\(\mathrm{m}\)を求めるには計算結果の単位が\(\mathrm{m}\)となればよいことがわかります。
速さの単位が\(\mathrm{m/s}\)で時間の単位が\(\mathrm{s}\)なのでこれらを掛けることで時間の単位である\(\mathrm{s}\)が約分されて求める単位である\(\mathrm{m}\)が残りそうです。
実際に計算してみると、
\(\begin{eqnarray}\mathrm{9m/s×10s}&=&\mathrm{9\frac{m}{s}×10s}\\&=&\mathrm{9×10\frac{m・\textcolor{blue}{s}}{\textcolor{blue}{s}}}\\&=&\mathrm{9×10\frac{m・\textcolor{blue}{\cancel{s}}}{\textcolor{blue}{\cancel{s}}}}\\&=&\mathrm{90m}\end{eqnarray}\)
と、時間の単位\(\mathrm{s}\)が約分されて求めたい距離の単位\(\mathrm{m}\)のみが残るので、距離を求めるには速さと時間を掛ければよいとわかります。
次に速さの単位であるm/sの意味についてみていきます。
先の例でふれた\(\mathrm{9m/s}\)は、分子と分母で表すと
\(\displaystyle{\mathrm{\frac{9m}{1s}}}\)
となります。
これは、単位時間(\(\mathrm{1}\)秒)あたりに\(\mathrm{9m}\)進むという意味になります。
なぜ単位時間なのかというと、分母の秒の値が\(\mathrm{1}\)だからです。
他の例として、
\(\mathrm{{10kg}/{m^3}}\)→\(\mathrm{1m^3}\)あたり\(\mathrm{10kg}\)の重さがある
\(\mathrm{20円/m}\)→\(\mathrm{1m}\)あたり\(\mathrm{20円}\)
などがあります。
では、分母の値が\(\mathrm{1}\)ではないときはどのように考えればいいのでしょうか?
具体例として、\(\mathrm{100円/80g}\)を考えていきます。
この場合だと、分母が\(\mathrm{1g}\)ではなく\(\mathrm{80g}\)となっているので\(\mathrm{80g}\)あたり\(\mathrm{100円}\)だという意味になります。
これを\(\mathrm{1g}\)あたりの金額になおすには、
\(\displaystyle{\mathrm{\frac{100円}{80g}=\frac{100}{80}\frac{円}{g}=1.25円/g}}\)
というふうに、分母の値を\(\mathrm{1}\)にするために単位\(\mathrm{80g}\)の中の数値である\(\mathrm{80}\)を単位からだしてやり、数値同士で計算させると単位は\(\mathrm{円/80g}\)から\(\mathrm{円/g}\)となり\(\mathrm{1g}\)あたりの金額を知ることができます。
この\(\mathrm{1.25円/g}\)から、何\(\mathrm{g}\)買ったときには何円になるのか、また何円で何\(\mathrm{g}\)買えるのかを計算することができます。
時間・距離・速さのときと同様に、何\(\mathrm{g}\)買ったときに何円になるのかは単位が円になる値を知りたいので\(\mathrm{円/g}\)と\(\mathrm{g}\)の単位をどのように計算すれば\(\mathrm{g}\)の単位が約分されて円の単位だけが残るのかを考えます。
この場合\(\mathrm{円/g}\)と\(\mathrm{g}\)を掛けると\(\mathrm{g}\)が約分されて円の単位だけが残ります。
試しに、\(\mathrm{1.25円/g}\)のものを\(\mathrm{100g}\)買うと何円になるのか計算してみると、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{1.25円/g×100g}&=&\mathrm{1.25×100\frac{円・\textcolor{blue}{g}}{\textcolor{blue}{g}}}\\&=&\mathrm{1.25×100\frac{円・\textcolor{blue}{\cancel{g}}}{\textcolor{blue}{\cancel{g}}}}\\&=&\mathrm{125円}\end{eqnarray}}\)
となり、\(\mathrm{g}\)の単位は約分され知りたい金額の単位である円だけが残ります。
また、何円で何\(\mathrm{g}\)買えるのかを計算する場合は、\(\mathrm{円/g}\)と円の単位をどのように計算すれば\(\mathrm{g}\)の単位が残るのかを考えます。
この場合円を\(\mathrm{円/g}\)で割ると\(\mathrm{g}\)だけが残ります。
試しに、\(\mathrm{1.25円/g}\)のものを100円で何\(\mathrm{g}\)買えるのかを計算してみると、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{100円÷1.25円/g}&=&\mathrm{\frac{100円}{1.25円/g}}\\&=&\mathrm{\frac{100}{1.25}\frac{円}{\frac{円}{g}}}\\&=&\mathrm{\frac{100}{1.25}\frac{\textcolor{blue}{円}・g}{\textcolor{blue}{円}}}\\&=&\mathrm{80\frac{\textcolor{blue}{\cancel{円}}・g}{\textcolor{blue}{\cancel{円}}}}\\&=&\mathrm{80g}\end{eqnarray}}\)
となり、円の単位は約分され知りたい\(\mathrm{g}\)の単位だけが残ります。
このように知りたい単位を求めるには、単位同士をどのように計算すれば求める単位がでてくるかを考えると、掛ければよいのかあるいは、割ればいいのかが分かります。
2.単位の換算と接頭辞
2-1.接頭辞について
接頭辞とは、\(\mathrm{km}\)(キロメートル)の\(\mathrm{k}\)(キロ)や\(\mathrm{mm}\)(ミリメートル)の\(\mathrm{m}\)(ミリ)などのことです。
これら\(\mathrm{k}\)(キロ)や\(\mathrm{m}\)(ミリ)には意味があり、例えば\(\mathrm{k}\)(キロ)には\(\mathrm{×1000}\)、\(\mathrm{m}\)(ミリ)には\(\mathrm{÷1000}(=×1/1000)\)という意味があります。
指数表示では、\(\mathrm{×1000}\)は\(\mathrm{10^3}\)、\(\mathrm{÷1000(=×1/1000)}\)は\(\mathrm{10^{-3}}\)と表されます。
\(\mathrm{1000}\)は\(\mathrm{10×10×10}\)というように10が3回掛けてあるというふうに考えて、この3を10の右上につけて\(\mathrm{10^3}\)。
また、\(\mathrm{\frac{1}{10}}\)は分母に10がいますよという意味で-(マイナス)をつけて\(\mathrm{10^{-1}}\)というように表されます。
これを使えば、\(\mathrm{÷1000}(=×1/1000)\)は\(\mathrm{\frac{1}{10}×\frac{1}{10}×\frac{1}{10}}\)というように、\(\mathrm{\frac{1}{10}}\)が3回掛けてあると考えて\(\mathrm{10^{-3}}\)と表されます。
次に、主に使うと思われる接頭辞をまとめておきます。
よく使いそうな接頭辞をまとめた表です。
だいたい、\(\mathrm{10^3}\)倍ごとになっていることがわかります。
2-2.単位の変換方法
接頭辞がわかっていれば、\(\mathrm{km}\)から\(\mathrm{m}\)への変換や、\(\mathrm{m}\)から\(\mathrm{km}\)への変換を悩むことなく行うことができます。
具体的にみていきましょう。
例として\(\mathrm{km}\)を\(\mathrm{m}\)に変換する場合をみていきます。
接頭辞\(\mathrm{k}\)の意味は\(\mathrm{10^3}\)なので、\(\mathrm{k=10^3}\)となります。
このことから、\(\mathrm{k}\)を数値\(\mathrm{10^3}\)になおして
\(\mathrm{\textcolor{green}{k}m=\textcolor{green}{10^{3}}m}\)
となり、\(\mathrm{km}\)を\(\mathrm{m}\)に変換するには\(\mathrm{10^3}\)を掛ければよいことがわかります。
次に\(\mathrm{m}\)を\(\mathrm{km}\)に変換する方法をみていきます。
\(\mathrm{k=10^3}\)なので、この\(\mathrm{10^3}\)という数をつくります。
考え方としては、何に\(\mathrm{1}\)を掛けても数は変わらないので1を掛けるのですが、いま作りたい数は\(\mathrm{10^3}\)なので
\(\mathrm{1=\frac{1000}{1000}=10^{-3}×{10^3}}\)
というようにとらえます。
これを用いて\(\mathrm{m}\)を\(\mathrm{km}\)に変換すると
\(\displaystyle{\mathrm{m=\textcolor{red}{1}×m=\textcolor{red}{10^{-3}×10^{3}}m}}\)
となりますが、この\(\mathrm{10^3=k}\)なので
\(\displaystyle{\mathrm{10^{-3}×\textcolor{green}{10^{3}}m=10^{-3}\textcolor{green}{k}m}}\)
となります。
従って、\(\mathrm{m}\)を\(\mathrm{km}\)に変換するには\(\mathrm{10^{-3}}\)を掛ける、すなわち\(\mathrm{1000}\)で割ればよいことがわかります。
kmからmとmからkmへの変換方法を分かりやすく図示しています。
今度は、面積に関する変換をみていきます。
例として、\(\mathrm{km^2}\)を\(\mathrm{m^2}\)に変換してみます。
ところで、\(\mathrm{km^2}\)の中身はどうなっているのでしょうか?
例えば縦と横ともに\(\mathrm{1km}\)の正方形の面積は、\(\mathrm{1km×1km}\)で計算できます。
これまでに単位も計算できるということをみてきたので、この面積の単位は
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{1km×1km}&=&\mathrm{1×1×km×km}\\&=&\mathrm{1(km)^{2}}\\&=&\mathrm{1k^{2}m^{2}}\end{eqnarray}}\)
となるはずです。
(\(\mathrm{(km)^2}\)は\(\mathrm{km×km}\)という意味で、\(\mathrm{km}\)が2回掛けてあるので右上に\(\mathrm{2}\)をつけている。)
実は面積の単位である\(\mathrm{km^2}\)は、\(\mathrm{k^2}\)の右上の\(\mathrm{2}\)を省略して\(\mathrm{m}\)の右上にだけ\(\mathrm{2}\)をつけて\(\mathrm{km^2}\)としています。
このことがわかっていれば、\(\mathrm{km^2}\)を\(\mathrm{m^2}\)に変換するには、
\(\displaystyle{\mathrm{km^2=(km)^{2}=k^{2}m^2}}\)
ここで、\(\mathrm{k^2=k×k=10^3×10^3=10^6}\)なので
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{\textcolor{green}{k^2}m^2}&=&\mathrm{\textcolor{green}{10^3×10^3}m^2}\\&=&\mathrm{\textcolor{green}{10^6}m^2}\end{eqnarray}}\)
となるので、\(\mathrm{km^2}\)を\(\mathrm{m^2}\)に変換するには、\(\mathrm{10^6}\)を掛ければよいことがわかります。
次に\(\mathrm{m^2}\)を\(\mathrm{km^2}\)に変換してみましょう。
\(\mathrm{km^2=k^2m^2=10^6m^2}\)なので、\(\mathrm{10^6}\)をつくることを目指しましょう。
\(\mathrm{m}\)を\(\mathrm{km}\)に変換した時と同じように、\(\mathrm{1=10^{-6}×10^{6}}\)と考えて、
\(\displaystyle{\mathrm{\textcolor{red}{1}×m^2=\textcolor{red}{10^{-6}×10^6}m^2}}\)
となります。
ここで、\(\mathrm{k^2=10^6}\)なので
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{1×m^2}&=&\mathrm{10^{-6}×\textcolor{green}{10^6}m^2}\\&=&\mathrm{10^{-6}\textcolor{green}{k^2}m^2}\\&=&\mathrm{10^{-6}(km)^2}\\&=&\mathrm{10^{-6}km^2}\end{eqnarray}}\)
となるので、\(\mathrm{m^2}\)を\(\mathrm{km^2}\)に変換するには、\(\mathrm{10^{-6}}\)を掛ければよいことがわかります。
同様にして、体積についても\(\mathrm{km^3=(km)^3=k^3m^3}\)というように、\(\mathrm{k}\)が3回掛けてあるととらえて、\(\mathrm{1=10^{-9}×10^9}\)を用いることで適宜変換することができます。
また、\(\mathrm{c}\)(センチ)や\(\mathrm{m}\)(ミリ)についても同様の考え方で変換できます。
例えば\(\mathrm{km}\)から\(\mathrm{cm}\)への変換では、\(\mathrm{c=10^{-2}}\)なので、\(\mathrm{10^{-2}}\)をつくることを目指します。
\(\mathrm{1=10^2×10^{-2}}\)なので、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{km}&=&\mathrm{10^3m}\\&=&\mathrm{\textcolor{red}{1}×10^3m}\\&=&\mathrm{\textcolor{red}{10^2×10^{-2}}×10^3m}\\&=&\mathrm{10^5×10^{-2}m}\end{eqnarray}}\)
ここで、\(\mathrm{10^{-2}=c}\)なので、
\(\displaystyle{\mathrm{10^5×\textcolor{green}{10^{-2}}m=10^5\textcolor{green}{c}m}}\)
となり、\(\mathrm{km}\)から\(\mathrm{cm}\)へと変換するには\(\mathrm{10^5}\)を掛ければよいことがわかります。
2-3.等式から単位をつくる
例として\(\mathrm{m/s}\)から\(\mathrm{km/h}\)へと変換する場合をみていきましょう。
単位の分子分母を分けて、すなわち\(\mathrm{m}\)を\(\mathrm{km}\)、\(\mathrm{s}\)を\(\mathrm{h}\)へと分けてそれぞれを変換していきます。
\(\mathrm{m}\)から\(\mathrm{km}\)への変換はさきにみたように、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{m}&=&\mathrm{1×m}\\&=&\mathrm{10^{-3}×10^3m}\\&=&\mathrm{10^{-3}km}\end{eqnarray}}\)
となります。
次に\(\mathrm{s}\)(秒)から\(\mathrm{h}\)(時間)への変換をみていきましょう。
ここでは、\(\mathrm{s}\)(秒)と\(\mathrm{h}\)(時間)の関係を求めていきます。
我々は、1分が60秒であり60分が1時間であることを知っています。
なので、次の等式が成り立ちます。
\(\mathrm{1min=60s}\) (minは分という意味)
\(\mathrm{1h=60min}\)
ここで\(\mathrm{1min=60s}\)について、単位も計算できるので両辺\(\mathrm{min}\)で割ると、
\(\mathrm{1=60s/min}\)
となります。
\(\mathrm{1=60s/min}\)という形ができたので、\(\mathrm{1h=60min}\)にどのような計算をすれば\(\mathrm{1h=〇s}\)という結果が得られるかを考えます。
今回の場合は、\(\mathrm{60min}\)に\(\mathrm{60s/min}\)を掛ければ\(\mathrm{min}\)が約分されて\(\mathrm{s}\)だけが残りそうです。
実際に掛けてみると、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{1h}&=&\mathrm{60min}\\&=&\mathrm{60×\textcolor{red}{1}min}\\&=&\mathrm{60×\textcolor{red}{60s/min}×min}\\&=&\mathrm{60×60\frac{s・min}{min}}\\&=&\mathrm{3600\frac{s・\cancel{min}}{\cancel{min}}}\\&=&\mathrm{3600s}\end{eqnarray}}\)
よって、\(\mathrm{1h=3600s}\)という関係がわかりました。
さらに両辺を\(\mathrm{h}\)で割ると、
\(\mathrm{1=3600s/h}\)
という式が得られます。
ここで最初の話にもどりますが、\(\mathrm{m/s}\)に先ほどの\(\mathrm{3600s/h}\)を掛けると\(\mathrm{s}\)が約分されて分母に\(\mathrm{h}\)が残ります。
なので、\(\mathrm{m/s}\)を\(\mathrm{km/s}\)に変換すると、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{m/s}&=&\mathrm{10^{-3}km/s}\\&=&\mathrm{10^{-3}km/s×\textcolor{red}{1}}\\&=&\mathrm{10^{-3}km/s×\textcolor{red}{3600s/h}}\\&=&\mathrm{10^{-3}×3600\frac{km・s}{h・s}}\\&=&\mathrm{3.6\frac{km・\cancel{s}}{h・\cancel{s}}}\\&=&\mathrm{3.6km/h}\end{eqnarray}}\)
と、\(\mathrm{m/s}\)を\(\mathrm{km/h}\)へと変換することができました。
このようにして、等式が成り立つとき両辺を割って1=〇という形をつくり、なにに1を掛けても変わらないことを使って求めたい単位になるように計算することができます。
※補足
今回は1=〇という形を作りましたが、直接 単位=〇 という形をつくって代入することもできます。
例えば、先ほどみたように
\(\mathrm{1min=60s}\)
\(\mathrm{1h=60min}\)
この関係式の\(\mathrm{1min=60s}\)の両辺を1で割ると、
\(\mathrm{min=60s}\)
という式ができます。
この\(\mathrm{min}\)を\(\mathrm{1h=60min}\)に代入すると、
\(\begin{eqnarray}\mathrm{1h}&=&\mathrm{60\textcolor{green}{min}}\\&=&\mathrm{60×\textcolor{green}{60s}}\\&=&\mathrm{3600s}\end{eqnarray}\)
これで時間と秒の関係式\(\mathrm{1h=3600s}\)が求まりました。
さらにこの両辺を\(\mathrm{3600}\)で割ると、
\(\mathrm{s=1/3600h}\)
という関係式が得られます。
これを\(\mathrm{km/s}\)に直接代入すると
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\mathrm{km/s}&=&\mathrm{\frac{km}{\frac{1}{3600h}}}\\&=&\mathrm{3600km/h}\end{eqnarray}}\)
というふうに、分母に\(\mathrm{s=1/3600s}\)を代入する形でも計算することができます。
わかりやすい方法を使うとよいでしょう。
2-4.計算時の注意事項
足し算引き算をするときには、同じ単位で計算するようにしましょう。
例えば\(\mathrm{10円}\)と\(\mathrm{5m}\)は単位が異なるので、これらを足したり引いたりすることはできません。
また、掛け算割り算をするときは現在求めたい単位はなんなのか、単位同士での掛け算割り算の際にどの単位が約分されるのか、現在扱っている単位はなんなのか、単位についている接頭辞(\(\mathrm{k}\)(キロ)や\(\mathrm{m}\)(ミリ)など)はなんなのかを意識して計算するようにしましょう。
3.組立単位
単位には基本単位というものがあります。
例えば長さを表す\(\mathrm{m}\)(メートル)、質量を表す\(\mathrm{kg}\)(キログラム)、時間を表す\(\mathrm{s}\)(秒)などです。
これらを組み合わせて表される単位が組立単位と呼ばれるものです。
速さの単位である\(\mathrm{m/s}\)も、基本単位である\(\mathrm{m}\)と\(\mathrm{s}\)で表されているので組立単位と呼ばれるものです。
また、組立単位は別の記号で表されることがあります。
例としては、
基本単位で表される\(\mathrm{kg・\frac{m}{s^2}}\)は\(\mathrm{N}\)(ニュートン)という単位で表され、\(\mathrm{\frac{N}{m^2}}\)は\(\mathrm{Pa}\)(パスカル)という単位で表されます。
どのような組立単位があり、それが別の記号でどう表されるのかは都度覚えていけばよいと思います。
まとめ
①数値だけでなく単位も計算できる
②接頭辞がついた単位への変換は、その接頭辞が表す数をつくって行う
③等式から自分が求めたい単位の計算ができるように変形する
単位を知ることで、だいたいどのような計算をすれば知りたい値が求められるのかがわかるようになります。
例) \(\mathrm{\frac{kg}{m^2}}\)←体積を掛けると質量がもとめられるな!など
また、その単位がなにを表しているかを知ることで、日常に役立つことがあります。
例) \(\mathrm{60g}\)で\(\mathrm{120円}\)のお菓子と\(\mathrm{80g}\)で\(\mathrm{145円}\)のお菓子は質を考慮しなければどちらがお得か…←1gあたりの金額(〇円/gの形にする)を計算すると安いほうだな!など
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